【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
会えない、連絡できない、不安になった。
翔の存在をより大きく感じた。
翔を感じたい。
頭を撫でて、抱きしめて欲しい。
私を安心させて、ほしい。
「あぁ…」
「お前大丈夫か?」
私の手からスルリ、携帯を抜き取ったのは榎本さん。
…いつから起きてた?
じっとりとした視線を投げ飛ばしても、榎本さんは私に背を向け翔と話し込んでいる。
返してよ!私の携帯!
「…ああ、わかった。じゃぁ」
いつの間にか、ギロリと榎本さんの背中を睨みつけていた私の耳に届いた、会話が終了した合図。
あろう事か榎本さんはその携帯をそのままパタン、閉じて私に投げ返してきた。
慌てて携帯を開いても、もう翔とは繋がってなくて…
『バカ!榎本さんのバカッ!!』
怒りをぶつけるしかない。
せっかく翔と話せたのに、切る事ないじゃん。
「やめとけ。アイツ寝てねぇみたいだし、これからまた仕事だとよ」
再び電話をかけ直そうとした私に届いた声。
それで私は仕方なく、携帯をベッドサイドに置いた。