【完】白い花束~あなたに魅せられて〜


ベッドにポスン座る。
蒸せ返す様な室内に、ヒンヤリ冷たい風が舞い降りる。



て、ゆーか…
こんなに暑いのに何故榎本さん達は目を覚まさないのだろうか。



逆に不思議だ。



部屋にはスースーという寝息と、冷房が機能している音だけが響く。



そのまま、ゴロリ寝転がれば



ヴーヴー



手の中の携帯が振動しだした。



それに慌てて起き上がり誰からかなんて確認もせずに、通話ボタンを押した。



『もしもしっ!?』


「……仁菜?」



その一言。
たった一言だけで、身体の力が抜ける。



『翔…』


「ごめんな…連絡できなくて…」



少し歯切れの悪い翔は、多分私が杏里ちゃんとの事や、嵌められたって事実を知ってる事を藤村さんから聞いたんだろう。



『ううん、大丈夫。…って言いたいけど、心配した』


「本当、悪い…」


『もう、いいよ』



謝られても、過ぎた事はどうにもできない。
だったら、私はこう言うよ。



『…沖縄から帰ったらいっぱい、ぎゅってしてね?』


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