君とタンポポ
倒れ込むことはなかったが
少年はよろめく。
「ああ、失礼しました……。
おや、見かけない方ですね?」
男性は申し訳なさそうに誤り、
少年に見覚えがない人物だと気づき
不思議そうに見てきた。
「渡鉦さん、おはようございます。
ここは1階じゃありませんよ。」
少年の横にいた稀菜がその男性に
挨拶した。
渡鉦は稀菜に気づくと優しく笑った。
「おはようございます、琴賀さん。
また気を取られて間違ったようです
すみません。」
どうやら渡鉦はここを1階と
間違えたようだ。
しかもこれが初めてではないらしい。
渡鉦はそう言い少年に顔を向ける。
「彼は琴賀さんの彼氏かい?」
少しからかうように渡鉦はそう
いう。
「違います!」
2人は強く否定した。
「昨日越して来た304号室の
海屋斗輝です。」
海屋はそう言い渡鉦にお辞儀する。
「私は1002号室の渡鉦秋壱と
言います。よろしく海屋くん。」
渡鉦も同じように海屋にお辞儀した。
「じゃあ琴賀さんとは
隣人同士なんだね。」
「はい。」
3人はエレベーターに乗る。