制服の中

よくある話

女子校では「男子校との合コンを逃せば恋愛をするチャンスすらない」というのが周知の事実だった。
趣味で野球観戦に行ったり、追っかけをしたり、異性を見るチャンスはあったけれど、所詮は手の届かない人が相手。

そんな環境にいながら、私は学校へ行く楽しみを見つける。
絶対に叶わない恋に夢中になって、毎日浮かれていた。

男っ気のない日常で、久しぶりにした恋。
高2の私が好きになった人は、25歳の英語の先生。



知ってはいた。
先生が、生徒に人気があるのを。
私たち高2でも、ファンクラブまであるくらいにモテていたのを。
先輩の高3は、私たちより大人とあり、ファンクラブこそ無くとも、先生に好意を持つ先輩が多かった。
後輩の高1は、私たちより子供だけに、ファンクラブを作り、群れて先生を追っかけていた。

私も、その中の1人になった。


なんとなく、有利だと思ってしまう。
当時先生は担任を持っていなく、私たち高2の前半4クラスだけを担当していた。
私はA組とあり、先生の英語の授業を受けられた。

先生の授業は楽しかった。後半クラスの友達から、羨ましがられたりしたくらいに。

毎回洋楽を垂れ流し、歌詞を和訳する事から授業は始まる。
「教科書英語」ではなく「日常英語」を染み込ませてくれる方針。
長期休暇の後は、決まって英語でクイズ大会になる。正解者には先生から賞品が出た。といっても、国際線の機内でもらえるトランプだったり、飛行機の玩具だったが。
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