pure love

「じゃあ、くじ引きはじめるよ」関西出身ではないだろう先生が馴染みのない標準語で話を進めていく。順番にどんどんグループが発表されていく。

「今度は二班の発表ね。男子は大西、東間、高橋。女子は市川、上野」
教室の中はキャーキャー騒いでいる。それは私たちが同じグループになったから。
でも私は嬉しくてどう反応すればいいのか分からない。

「よっしゃーーー」亮太が隣のクラスにも漏れているくらいの大きな声で叫んでいる。
「高橋、うるさい!!」先生がグループの名前を呼ぶのを中断して亮太を怒った。
「いいやん!!市川と一緒やー」そんな亮太はクラスで笑われていたね。

「よかったな」葵がぽんぽんと私の肩を叩いてくる。私は顔をくしゃっとして葵に頷いた。
「愛海~やばいって~」今度は夏が飛んでくる。夏は容赦なく私の膝の上に座っている。
「夏、重いし」私はそういいながら夏の体を思いっきり押す。

「本間によかったな」夏は私に顔を向けて優しい笑顔で微笑んでくれた。
「ありがとう、夏」

あんときな、嘘かと思った。
先生が亮太の名前読んだとき自分の名前が呼ばれますようにっていっぱいお願いした。
自分の名前が呼ばれたとき、亮太とは本間に運命やなってそんなくさいこと思ってんで。

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