不器用な僕等の唄を


吐き気がこみ上げる程のこの熱い想いも。
頭が痛くなる程の悲しさも。

もう、終わったのだと。

笑うと涙が零れそうで、顔が強張った。

「あ、やっと来た。音宮!」

背の高い後藤が紘波の隣にいてすぐにあたしを見つける。

明らかにガラが悪そうな集団に近づけば動き出す。

「腹減らね?」
「外に同好会が出してる屋台あるらしい。」
「だるー。」
「教室に財布忘れた!」

他愛もない会話が耳に届く。

「お姉ちゃん!一円玉持ってる?」

その中に廊下の端から声が聞こえ、目を向けると桔梗が少し怯えながら立っていた。



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