想い、果てるまで


「選手の皆様は、そろそろ入場ですので、各々自分の立ち位地に着いて下さい」


入場門の前の所で、係の人が声を張り上げている。


それを合図に、選手が徐々に自分の指定の位置へと戻っていく。





「じゃあ、私達も行こうか」


「壽吏!」



移動しようと思った時、紫波がさっきと雰囲気を少し変えて声を掛けてきた。



「あんま無茶すんなよ」



ああ、やっぱり紫波先生にはお見通しですか。



「大丈夫。程々にするから」



「俺ぐらいには頼れよ」



そう言って、紫波は私の肩をポンと叩き、通り過ぎていった。



ここで私の頭をクシャクシャにしたらさぞかしかっこよかった事だろうが、あの身長じゃ無理は言えない。



それに、十分かっこよかった。



私の顔が熱いのが、何よりの証拠だ。





それから、いよいよプログラムは全校リレーへと入り、私達は入場門の下をくぐり抜けた。





< 66 / 356 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop