想い、果てるまで
「位置について、よーい」
パンッ!!
銃声と共に、駈け始める第一走者たち。
私達の団の第一走者は、2年の男子の先輩なんだけど、
みんな互角だ。
場内に歓声が響く。
そして、その甲高い声が私の頭に響く。
徐々に目眩もしてきた。
「あぁ!!」
そうこうしている間に、先輩がバトンを渡す際に落としてしまった。
次の走者が拾う間、どんどん他の団との差が開いていく。
…これは、流石に無理じゃ……
それから差は縮まるどころか、トップとの差が約一周近く広がっている。
そして、バトンが榎木先輩へと受け継がれた。