濡れた体温ごと奪って


「…っ……しょ、翔ちゃっ!!翔ちゃんっ!!私、待ってるからねっ!!」




慌てて玄関へ飛び出し背中を向けて歩いて行く翔ちゃんへ言葉を投げかけた。


もう、面と向かって言えるのは一年先になっちゃうから…今、言わなきゃ…。




「き、金髪美女と浮気なんかしたら、絶対に許さないからねっ!!」




翔ちゃんは私に背を向けたまま手をひらひらと左右へ振って合図をする。


翔ちゃん…好き…。


大好きだから…。




「…大好き……翔ちゃん…大好き。好き…凄く、好き……ずっと、大好きだよ」




翔ちゃんは振り返り眩しい笑顔で『俺はお前を愛してる』と言ってすぐ姿を消した。



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