濡れた体温ごと奪って


「今は…もう、ないから…。翔ちゃん…大丈夫だからね」


「…紗耶」




誰にされたのか…わかった。


この前押し倒した時、震えていた事といい…今俺と視線を合わさない事といい…。


母親の男が原因だと、すぐにわかった。


それも…性的虐待の可能性もなくはない…。


この六年の間で…お前に何があった?


そして今もその時の傷は癒えてねぇのか…?


どこまでお前の中を支配してるんだ…?



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