ティーン・ザ・ロック




じんじんと、熱を持ちながら痛む耳を抑えながら


これで少しは自分の世界が変わるんじゃないか。


そう思った。



少しの反抗心と好奇心が手伝って、初めて染めた長い髪は


本当に少しだけ 世界を明るく照らしてくれた気がする。




何かが変わったとか、変わる気がする とか


そんなものはただの妄想だって、分かっているけど



でも…前のままの自分は嫌だったんだ。



派手に着飾る事で強くなれる気がする。




それで良いじゃないか。



思い込みでも何でも良い。そう思わなくては、笑っている事さえできない状況にまで陥ってしまいそうだった。




自分を奮い立たせて、それでなんとか立っていられるのなら




何個だって身体に穴を開けてやる。






覚悟ならある。腹なら座った。




だから




今の逆境を順境に変えて見せるんだ。





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