ティーン・ザ・ロック





……雪が、靴の裏できしきしと鳴った。


雪かきなどされていない山の上は、一歩進むだけでも相当な体力を消耗する。


やっとの思いで、両親の眠る墓地にやって来る事が出来た。



持って来たお線香を二本、線香差しに立てて、二人並んで手を合わせた。








お父さん、お母さん。




今、私たちは必死で生きています。



悩んで、揺れて、挫折して。



それでも前に進めるのは、きっと今側に居る人たちのおかげです。



縛られていた世界から抜け出せたのは、お父さんたちが沢山の愛情をくれたから。



自分が愛されている事にも気づいていなかった馬鹿な娘だけど…



あたしは




これからもずっと、あなたたちの娘です。





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