ハルジオン。
「……大丈夫?」

「うわ!」

突然の声に跳ね起きると、傍らの斜面に百合子が腰掛けていた。

「大丈夫?すりむいてる」

「触んな……痛っ!」

頬に伸びる百合子の手を振りほどこうとした瞬間、右肩に鋭い痛みが走った。

「大変!お医者さん……」

「だめっ!」

達也が慌てて百合子の手を引いた。

「え?」

と百合子が不思議そうに達也を見た。

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