ハルジオン。
「やっくん」

百合子が答えると、靖之は花束を放り投げ、慌てて中に飛び込んできた。

「ゆりちゃん!大丈……」

言いかけて絶句する。


「……たっちゃん」

靖之は百合子と、その横に座っている達也を見つめて呟いた。

「……よお」

達也がそう言うことか、という顔でバツ悪そうに頭を掻く。

「なんで?東京に帰ったんじゃ……」

「ま、いろいろあってな」

達也は立ち上がると、靖之と入れ替わるように小屋の入口に向かって歩きだした。

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