剣と日輪
神西清

 の八名だった。
 河出書房は、
「仮面の告白」
 の帯(おび)に、
「一九四九読売ベストスリー」
 と喧伝(けんでん)し、推薦者八人の文名を表掲(ひょうけい)した。
 昭和二十五年が明けると、
「仮面の告白」
 は飛ぶように売れ出した。
 二月十日には二刷目が発刊され、公威は退官後の一年四ヶ月の雌伏(しふく)の時を、克服できたのであった。

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