AVENTURE -君の名前を教えて-
アヤと出会った初日に来たバー。
店内は少しだけ薄暗く、お客の数もまばらで、落ち着いてゆっくりと話をすることが出来た。

「ここにはよく来るの?」

聞くとアヤは頷いた。

「まぁな。いいだろ?ここ」

得意げに言うアヤに、私は笑って頷いた。

「いつか…いつか、大切な人が出来たら。ここに連れてこようと思ってたんだ」

アヤに言われて、私は苦笑する。

「へー、そうなんだ」

私の言葉に、アヤはむっとしたように言う。

「あ、お前、信じてないだろ」

言われて頷いた。

「だって。会った初日に、ここ、一緒にきてるんだもん」

私の言葉に、アヤは真剣な表情をする。
その顔に、思わず私ははっとなった。

< 206 / 242 >

この作品をシェア

pagetop