幸せが欲しい

先生と私の影が後ろに伸びていた。

「そうだ!」

先生は突然思い付いたみたいに声を上げた。

「どうしました?」

「柚山、ここで二人で写真撮ろう!」

海をバックにしてさぁ、って先生は笑う。

先生…
1つだけ、お願いしてもいい?

「先生も…一緒に…写りませんか?」

精一杯の勇気を出す。

だって先生と写真撮れる事、もうきっとないじゃんか。


「うん、先生はそのつもりでいたけど?」


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