狼クン達のオリの中【完】
おお!!

地獄に仏とは、まさにこの事?


「蘭ちゃん・・・(お金貸して!!)」


言おうとした瞬間。



「木下さん。
急に走り出して、どうしたの?」


綾瀬涼がゆったり歩いてきて、蘭ちゃんの横に立った。



そして、ベンチにぐったり座るあたしを前にして、かすかに笑う。


「あー・・・。
小泉さんも一緒に・・・ランチする?」




口の端だけちょっとあげて。


眼鏡の奥、切れ長の目をちょっと細くして。



クールさは全く崩さず、瞳に挑戦的な光を浮かべる。

< 130 / 491 >

この作品をシェア

pagetop