狼クン達のオリの中【完】
一緒にランチって・・・。

あ・・・あたしがお金ないの知ってるでしょ!?



あたしが眉間にしわを寄せると、綾瀬涼は横を向き、蘭ちゃんに言う。


「返事がないから、二人で食べよう。
木下さん・・・」


綾瀬涼は、くるりと後ろを向いた。



え―――――?


綾瀬涼!お金貸して!!


っていうか、おごって!!!



あたしの心の叫びを無視して、綾瀬涼は歩みを進める。


「あ・・・綾瀬くん・・・待って。
じゃあね・・由梨ちゃん・・・」

蘭ちゃんが小走りに、綾瀬涼の後を追う。




蘭ちゃんが追いついたのを確認して、綾瀬涼はあたしを振り返り、ニヤッと笑った。


ダイヤのピアスに、光が反射してまぶしい。

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