狼クン達のオリの中【完】
「ひゃっ・・・」


テニスの練習と、丘の上までの猛ダッシュで疲れきった足では踏ん張ることもできず、あたしはよろめき、プールに落ちた。


塩素の匂い。


ツーンと鼻の奥をつく嫌な感じ。


何?


思うより早く、鈴奈の声がボワっと聞こえる。



「あら、大変!
誰か呼びに行かないと~♪」


嬉しそうに、棒読みの芝居がかった声。



げ!
騙された?




ムカツク!!


でも、鈴奈。


あんたの策には、引っかからないわよ!


だって、あたしの唯一の特技は、水泳だもーん!!!

< 159 / 491 >

この作品をシェア

pagetop