泣かないで。


あたしは、ゆっくりと校門に入った。

すると急にグループに囲まれた。

そこには、優月・・・・。

もいた。


「おはよう。実柚」

「よ・・・陽子」

そこにはいじめの主犯の陽子をいた。

「・・・何?」

あたしのことをジロジロと睨んでくる視線が痛かった。

「みんなよくお聞き」

陽子がいばった口調で言い始めた。

「この子、小学校でもいじめられていたのよ」

あたしの方をチラッと見る。

「あらでも、今はいじめてるんではなくてよ」

ほほほと上品に笑った。

ばかばかしい。

「一人で淋しそうなあなたを構ってあげているだけですわよ」

「・・・・」

校門の前で立ち止まったあたし。

早く、教室に・・・。

クラッ

急な頭痛とめまいに襲われた。

早く・・・クスリ。


「なに? 逃げるつもり?」

グイッと引っ張れた。


あたしは無意識だった。



パシンッ...!!!!



「・・・え」



あたしは、

陽子の顔を

陽子の頬を

殴っていた。




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