泣かないで。

苦しかった。

痛かった。


「ごめん...」

もう、言えなかった。

涙が溢れて、溢れて、溢れてー・・・・・・。


「うん。うん。分かったよ。優月・・・」

美月が優しい声をかける。

「...っ」

何も言えない私を優しく撫でた。

『優しい』

なんていい言葉なんだろう。

「分かってるよ。言わなくても、分かってるから」

ありがとう・・・。

なんで、言えないの。

そうか・・・。

今、私は一人だったから誰かに聞いてもらいたかった。

一人にしないでほしかった。

誰か、話しかけてって・・・・。


あっ・・・・・。

私、それ。

『私、実柚さんのこと、好きだよ』

言った・・・・。

言ったよぉ・・・・。

言ったのに・・・・・・。


ガクンッ


私は膝を床に付いた。



最低・・・。

最低な人・・・。

最低な人間・・・。


生まれてこなければ、

よかったのにーーーーー・・・・・・・・・。




「うああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!」




もう、消えてしまいたい。



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