戦国千恋花
現世と前世

温かなぬくもりの中、

私は夢を見ていた。


私と年頃も近い少女が
朝日の昇る山々に向かって、

必死に、祈っていた。


彼女が何を祈っているのかはわからない。
けれど

彼女の瞳は、頬は、固く握りしめた掌は、

静かに流れ出た雫で、濡れていた。



『どうして、泣いているの』

『なにを祈っているの』


―…私の問いは、彼女に届かなかった。




< 13 / 17 >

この作品をシェア

pagetop