戦国千恋花
少年の瞳は光を失い、空の蒼さをただ映していた。

これが、私が見た『死』

怖いよ

震えが止まらない。

悲しいよ

痛みが襲う。


「…イや……い ゃ…」


恐怖が、哀しみが、

私の躯を縛りつけた。


脚は
立っていることにすら耐えられず、
私は
血と雨の滲んだ戦場の土に倒れた。


喉は
鳴咽を漏らすことも出来ず、
私は
空を仰いだまま静かに涙を零した。



――…サヨナラ。

ワタシ
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