涙の宝器~異空間前編
俺は眩しい陽射しのせいで、閉じた瞼を泳がせた。
あまりにしつこいから目を開けた。
俺はどのくらい眠ってしまっていたのだろうか………?
気づけばバスはついに一台になっていた。
「そうか。
運転手さんは帰ったのか…」
この二台目のバスは、俺をどこに連れていくのだろう。
その時だった。
「起きたようですね。
もうかれこれ二十時間は寝ていましたよ」
「どういうことですか!?
どうして一台目に俺が乗ってるんですか??」
(どうなってるんだ!?)