涙の宝器~異空間前編


小鳥が数羽ほど頭上を通過していく。


目を閉じて自然を感じる。


やはりエネルギーは自然から恵まれるものだ。


吹き抜ける風がちょうどいい。


俺はゆっくりと目を開けた。


前方から誰かがやってくる。




男性は自転車に乗っていた。



彼が俺であることはすぐに分かった。




俺は近道であるこの並木道をいつも往復していた。



この輝く木々の並木道を通る度に、何か幸せなものをいつも感じていたんだ。



何かしら幸せに思うものを一つでも抱いている人は、すごく生き生きとしている。
< 378 / 449 >

この作品をシェア

pagetop