涙の宝器~異空間前編
小鳥が数羽ほど頭上を通過していく。
目を閉じて自然を感じる。
やはりエネルギーは自然から恵まれるものだ。
吹き抜ける風がちょうどいい。
俺はゆっくりと目を開けた。
前方から誰かがやってくる。
男性は自転車に乗っていた。
彼が俺であることはすぐに分かった。
俺は近道であるこの並木道をいつも往復していた。
この輝く木々の並木道を通る度に、何か幸せなものをいつも感じていたんだ。
何かしら幸せに思うものを一つでも抱いている人は、すごく生き生きとしている。