涙の宝器~異空間前編
ここは…………。
そう、そこは俺の住む地域だった。
本当に来てしまったんだ。
驚く気持ちと嬉しい気持ちが入り混じった。
そこは太陽の陽射しで輝きを放つ、俺が常に大好きだった木々の並木道だった。
久々に見た並木道はいつも以上に輝いて見えたんだ!
俺はひとまず深呼吸をしてみた。
人生でここまで、心の中から深呼吸を味わったことはない。
体が軽く感じた。
そして大きく息を吐いた時、さらに感じた。
深呼吸するだけで、すごく生きてるって幸せな事なんだと………