お伽話をキミに。
「…例えばよぉ、俺とか郁人が一人の女に優しくすりゃぁ、そいつが特別なんだって一目でわかる。でもお前の優しさは"当たり前"なんだよ。王子様のお前は」
そう言われて初めて気付いたんだ。
王子様の盲点に。
っつーか、龍ちゃん自分が怖いって自覚あったんだね。
確かに見た目怖い龍ちゃんとか常に無愛想な郁が優しくする女の子がいたら、きっとその人が特別なんだってすぐわかる。
でも、俺は…違う。
俺が特別な優しさを向けたつもりでも、相手にはそう感じてもらえないんだ。
「ど、どうしたらいいの…」
「だから"特別"にしろっつってんだろ」