お伽話をキミに。
……ってやばいやばいやばい!!!!転ぶ!!
ダンッ
「………」
ギリギリのところでなんとか踏み止まっ…た。
あ、あぶねぇ…まじで。
こんなとこで転んだら完璧に笑いものだよ。
いや、というかそもそも王子が転ばないもんだろ。
俺は半分体を起こして後ろを振り返りギッと郁を睨み付ける。
「……………ハッ」
…!!笑 い や が っ た !!
鼻で、鼻で笑いやがったあいつ!!
無表情加減がまじで腹立つ!
俺の中に郁へのむかつきがふつふつと沸き上がる。ぜってぇ倍返ししてやる。
……だから気付かなかった。
「水無月、くん…?」
「…へ?」
さっきの音に驚いた如月さんが俺の目の前まで来てるなんて。