お伽話をキミに。




……ってやばいやばいやばい!!!!転ぶ!!



ダンッ




「………」




ギリギリのところでなんとか踏み止まっ…た。


あ、あぶねぇ…まじで。
こんなとこで転んだら完璧に笑いものだよ。

いや、というかそもそも王子が転ばないもんだろ。


俺は半分体を起こして後ろを振り返りギッと郁を睨み付ける。




「……………ハッ」




…!!笑 い や が っ た !!
鼻で、鼻で笑いやがったあいつ!!


無表情加減がまじで腹立つ!


俺の中に郁へのむかつきがふつふつと沸き上がる。ぜってぇ倍返ししてやる。




……だから気付かなかった。




「水無月、くん…?」


「…へ?」




さっきの音に驚いた如月さんが俺の目の前まで来てるなんて。




< 135 / 177 >

この作品をシェア

pagetop