お伽話をキミに。
「こんなんで中学校生活終わりにしたくないんだけど。俺は運命の相手に出会いたい。そして幸せかつ充実した高校ライフを送りたい」
「そうか、残念だったな。とりあえず俺は、推薦もらった学校への提出書類をさっさと担任に出すべきだと思うぞ」
俺の切なる願いをさらりと流す郁。
そうだよな、まず高校の書類を…………ん?
「……!?」
ガタッ頭の中で引っ掛かった何かに思わず席を立つ俺。
郁…今何つった…?
高校の、書類…!?
郁の言葉に夢(妄想)の世界へと旅立ちそうになっていた俺の理性が現実に戻ってくる。
それと同時に急速に冷えていく思考回路。
「───っ忘れてた!!」
やっべぇ!どうすんだよ、期限今日までじゃんか!!俺持ってきたよな!?