お伽話をキミに。





え、誰この子。


俺見たことないんだけど。
こんな子うちの学校にいたっけ?



…てか…あれ?



なんかキラキラして見えるんだけど。

俺、病気?





「本当にごめんなさい!!私急いでまして…走りながら階段下りてたら曲がりきれなくて…」





目の前の彼女が何やら喋ってるけど、その内容はまったく頭に入ってこない。
それくらい、俺は彼女に見惚れてた。



真っすぐに伸びた長い黒髪に、化粧っけの無いまだどこか垢抜けない感じの顔。



別に格段美人だとか可愛いとかじゃないと思う。




でも確かに俺の中の何かを掴んだんだ。





< 26 / 177 >

この作品をシェア

pagetop