お伽話をキミに。
え、誰この子。
俺見たことないんだけど。
こんな子うちの学校にいたっけ?
…てか…あれ?
なんかキラキラして見えるんだけど。
俺、病気?
「本当にごめんなさい!!私急いでまして…走りながら階段下りてたら曲がりきれなくて…」
目の前の彼女が何やら喋ってるけど、その内容はまったく頭に入ってこない。
それくらい、俺は彼女に見惚れてた。
真っすぐに伸びた長い黒髪に、化粧っけの無いまだどこか垢抜けない感じの顔。
別に格段美人だとか可愛いとかじゃないと思う。
でも確かに俺の中の何かを掴んだんだ。