お伽話をキミに。
「っうん、平気。心配してくれてありがとう」
胸中かなり穏やかじゃないんだけど、表情と声だけはなんとか取り繕って彼女に笑ってみせた。
背中には何とも言えない汗が流れてる。
習慣ってすげぇな。
やるじゃん、俺の体。
心とは裏腹に、にこりと微笑んで彼女を見れば、そこには先程の申し訳なさそうな表情とは違い、目を細めて小さく微笑んでいる彼女がいた。
「よかった…」
ずきゅーんっ
「─────っ!!」
あ、やばい。俺今、まじで堕ちたかも。