お伽話をキミに。
「っ君こそ、本当に大丈夫だった?驚いちゃって、ちゃっちゃん、と支えられなかったか、ら…」
「あ、はい。私は本当に大丈夫です、頑丈なので!…王子の上に落ちるとは思っていませんでしたけど」
困ったように笑いながらそう言う彼女に俺の心臓は痛いくらい早く動く。
堕ちたと自覚した途端、取り繕っていたはずの王子様スマイルも上手く出来なくなって。
自分でも自覚するほど体の隅から隅まで熱くなった。
しかも噛んだよね、今。
一人どうしようもなくテンパってる俺に対して、目の前の彼女は大して気にした様子もなく苦笑いを零している。