お伽話をキミに。




「…ぼ、僕のこと…知ってるの?」


「当たり前じゃないですか!!王子を知らない女子生徒なんて、この学校にいませんって!」




目を真ん丸に見開いて身振り手振りをつけながらオーバーアクションで返してくれる彼女。



こんな純粋そうな子まで俺のこと知ってんだ!


やばっ!!まじで頑張ってきた甲斐あったじゃん、俺!!




「そっ…か…すごく嬉しいよ」




口から出たのは、本当に本当に心からの本音。



あぁ…やばい。超嬉しいんだけど。

王子様やってきてよかった。



多分、今の俺の顔は全然王子様スマイルなんかじゃなくて。

いや寧ろ、素で弛んでると思う。




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