強さと弱さと君と僕。
満員電車は、何を連れて行くの?
こんな日常に、何があるっていうの?
「・・・行ってきます」
そう言っても、誰も返事をしないのは分かってる。
でも少しの確率に期待をしてしまっただけ。
僕が居なくたって、きっとこの家は成り立つ。
人間に強い人間と、弱い人間が居るなら僕は弱い人間だろう。
自分に都合が悪いことがあったらすぐに逃げて。
そんなことにも、もう慣れてしまった。
大人になったら僕はどうするんだろう?
今はまだ、答えは出せずにいる。
「今日も混んでるなぁ・・・」
学校へは、電車でかなりの時間がかかる。
この方面からわざわざ行くのは僕くらいだと思う。
学校は好きじゃないけれど、家に居たって居場所はない。
とりあえず、発車時刻まで席に座り、本を読む。
「・・番線の電車は・・・」
僕の目の前に、学校の制服を着た人が立っている。
席は空いてるけど・・・。
そっと顔を上げてみると、彼女は優しく微笑んだ。