Re:
「…楽しい、よ。チュウもいるし。」

僕は、半分の嘘と半分の本当の気持ちを言葉にした。

「成績が落ちたのは…僕、覚えが悪いから。」

「もっと、頑張って勉強しなきゃね。」

いつもより早い鼓動が耳に響く

心臓の音が聞かれてしまいそうで

母さんが何かを言おうとしてるのを遮るように話した。

「ゴメンね。高校に入って成績が上がらなくて。」



「成績は…気にしなくていいのよ。」

僕の心を察知されたのか母さんは言葉を続けた。

父さんは静かに母さんの言葉を聞き、僕を見る。



「学校で何かあったらキチンと話してね。私や、お父さんに。」

ズキン、と言葉が僕の心に刺さる。



「・・・わかってるよ。ありがとう。」

なるだけ笑顔で答えた。
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