しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
「行くぞ」
そう言って差し出された手。
私は、何度も細かく頷いて壮吾の手を取った。
疑問は消えないままだったけど、私の見間違いかもしれない。
だって、刹那の出来事だ。
「美羽」
名前を呼ばれて、壮吾を見上げる。
手帳について、何か言われるのかな……。
そう思ったけど、違った。
「さっき、“先輩”つっただろ」
あ……。
「昨日言ったよな。名前で呼べ。 敬語も禁止」
ポカンとするあたしに
「おまえ、俺の女だろ」
さらりとそう言った。
壮吾は、私の手を引いて歩いて行く。
『俺の女だろ』
きっと、私のように単純な女はいない。
だって、その一言で、さっきの疑問なんてどうでもよくなったんだから。
壮吾の手はすごく大きくて、とても温かった。