しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
怒りをあらわにして日和が小さく言う。
しかし、そんな事はお構いなしに
「日和ちゃん、しばらく見ない間にキレイになったな」
彼は腰をぐっと折って、日和の顔を覗き込んだ。
日和は、顔を伏せる。
「それくらいにしとけよ、壮吾。こいつ、キレるとマジで怖えーから」
日和のお兄さんがめんどくさそうに頭をかいて、こちらに歩いてきた。
2人が移動すると、クラスの女子の視線も一緒に動く。うっとりと。
「んだよ…… じゃ、どっか行く?」
「はっ?」
同時に声を上げたのは、日和とお兄さんだった。
「いやいや、おかしーだろ。今の流れで、どうしてそうなんの?」
お兄さんが片方の眉を上げて、苦笑した。
私も、今のは流れ的におかしいだろと思わず心の中で突っ込みを入れてしまった。
“壮吾”と名前を呼ばれていた彼は、しばらくふて腐れた後、突然私に視線を向ける。
びっくりして、咄嗟に目を泳がせてしまう私。
「友達? 日和ちゃんの」