しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
「おじゃましまーす」
ギャーギャー声が聞こえてきたのは、コウ先輩の部屋。
そろりとドアを開け、中を覗き込むと
「コウ!! てめぇ、ちょっとは手加減しろよ!!」
「はっ?バカか、おまえ。手加減してたら楽しくねーだろ」
壮吾とコウ先輩が、ゲームに熱中していた。
私がドアを開けたことにも気づいていないようだ。
「あ、あのー。入ってもよろしいでしょうか」
おずおずと声を出すと、ゲームのコントローラーを手にしている2人が、くるりと振り向いた。
「なんだ、美羽。来てたのか」
そう言って、ゲームを中断した壮吾が、私の元へとやってくる。
「何ビクビクしてんだよ。早く中に入れよ」
またこの人は。
自分ちでもないのに、そんな勝手に……。
「日和は?」
「あ!! 美羽。 いらっしゃい」
壮吾に問いかけた瞬間、背後から日和の声が聞こえてくるりと振り向いた。
日和の手には、紅茶カップと、さっき私が日和ママに渡した、シュークリームののったおぼん。
「うお。うまそーなシュークリーム」
一番に反応したのは壮吾だ。