しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~


日和の合図で、私達はこれ以上スピードを出せないというほど、花火を振った。


一番簡単なのは、きっと私。

ただ、大きくOと振ればいいんだから。



「うおー」


声を上げて花火を振り回すコウ先輩。


さっきめんどくさそうにしていたレオくんも、何気に一生懸命。




花火の細い光。


暗闇を走るその光は、まるで夜空を流れる流れ星のようで。


キラキラと、私達の顔を照らしだしていた。


ほんの一瞬の光だったけれど、私達の元に降ってきた流星群。


レオくんの笑顔が見たいという、私の願いを叶えてくれた。


高校1年生、夏の、大切な思い出の1ページ。


帰ったら、赤いスケジュール帳に残そう。


レオくんが、初めて笑った記念日。


ずっとずっと輝き続ける、私の思い出のひとつ。




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