しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
夢か現実かもわからない、おぼろげな中。
私の中から、すーっと、壮吾が遠ざかって行くのだけは、はっきりとわかった。
壮吾。
言い訳とか、言わないんだね。
まだ、『これは違う』とか、『もう前の話し』とか、口先だけでもそんなことを言ってくれたなら、涙を流すことが出来たかもしれないのに。
壮吾に詰め寄って、とことん、理由をはかせることができたのに……。
そんなに切なく眉間にしわを寄せ、床に視線を落とされると、あまりにもリアルすぎるよ。
だって、それが壮吾の答えってことでしょ?
じゃあ、今までの私の存在は何だったの?
『今は、おまえだけ』
あれは、その場しのぎで言った、嘘だったってこと?
そんなの、みじめ過ぎるよ……。
「ごめん、帰る」
自分でも驚くほど、冷静な声だった。
今、どんなことを考えているのか、今、何をしようとしているのか。
こんなこと初めて。
自分が自分でわからない……