しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
暗闇のせいで、レオくんが手に取った本の表紙が見えない。
ページをめくるレオくんは、本に視線を落したまま、言葉を続けた。
「すずらんの花言葉、知ってる?」
突然の言葉に、眉をひそめる。
花言葉?
いきなり、何?
「幸福の再来・幸福が帰る・純粋・意識しない美しさ。結構色々あるんだ」
レオくんは寄りかかっていた棚の上に本を置くと、『これ』と、ページの一部を指さした。
一歩、二歩とレオくんに近づき、それを覗き込む。
レオくんが本棚から取り出していたのは、前にレオくんの膝の上に広げられていた“花図鑑”
レオくんの指さす先には、白くてとてもきれいなすずらんが載っていた。
「花期は、4月〜6月。花の色は白で、ユリ科」
すずらんの説明をし始めたレオくんを見上げる。
雲から少しだけ顔を覗かせた月が、レオくんの顔と、棚の上の図鑑を明るく照らし出した。
白く透き通るようなレオくんの肌が、月明かりで眩しく光る。
すずらんも同じく輝いていて、何だか、レオくんと似ているような気がした。
静かに美しく咲く姿が、何だかレオくんっぽい。
「フランスでは、5月1日に、すずらんの花を友人や家族、愛する人に贈る習慣があるんだ。その日を“すずらんの日”って言うんだって」
「………」
「すずらんの花が贈られた人には、必ず幸福が訪れるって言われてる」