しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~


加速していく鼓動。熱を帯び始める頬。


手の平が汗ばんできて、スカートで少しだけ拭った。


久しぶりの感情に、ちょっとだけ戸惑う。



私は、3年生の廊下を歩きながら、窓から空を見上げた。


高鳴る鼓動を抑える為に、隣の日和にバレないように小さく深呼吸する。


程良く差しこんでくる日差しがとても心地よくて、清々しい気分になった。


澄んだ青空。太陽の光。木々の濃い緑。


目の前のキャンバスに彩られた風景に、私は静かにほほ笑んだ。



その時。


「美羽ちゃん、見っけ」


突然かかった声。空から視線を下げる。






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