しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~


今日も制服を着崩している。


ネクタイを締めていない白いシャツの隙間から、真っ赤なTシャツが顔を覗かせていた。



「よお」


昨日出会ったばかりなのに、当たり前のように私の目を見て挨拶してくる。


周りの視線を感じながら、軽く会釈。


だけど、あまりにもその視線が痛すぎて、私は先輩と目が合わせられなかった。


だって、1年生だけじゃなくて、教室の中からの視線まで感じたから。


怖くて。出来れば、先輩だらけのこの校舎では、話しかけないでほしかった。


いや……。

ちょっとは話しかけてほしいんだけど、あまり、話しかけてほしくない……。



乙女心は微妙なんだ。





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