しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
涙ぐむお母さんの声は、かろうじて私達の鼓膜を刺激するくらいの声だった。
唇を必死に噛みしめている。
やっと、出会えたんだね――。
10年間も離れていたお母さんの口から、レオくんの名前が出た。
やっぱり。
レオくんも、レオくんのお母さんも、お互いを想って会いたがってたんだよね。
レオくんを見つめるお母さんの目が、何よりもその証だよ。
前髪をクシャっと握ったレオくん。
俯いて、お母さんと同じように唇を噛みしめていた。
「母さんに、会いに――」
レオくんが答えたその時だった――。
ドサッ!!
さっき聞こえた音のように、とても鈍い音。
「か、母さん!!」
目の前で、レオくんのお母さんが冷たいコンクリートの上に倒れた。
元々白い肌は青白くなっていて。
レオくんがお母さんの上半身を抱きかかえると、だらんと手が下に垂れた。
「母さんッ!!」
どんなにレオくんが揺すっても、反応がない。