しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
「安心しましたよ。こんなに大きな息子さんがいたなんて。お母さんのこと、支えてあげてください。食事をきちんととれるようになれば、今よりは元気になります。心の支えが必要なんです。お母さんの話を聞いて、同じ景色を見てあげてください」
その先生の言葉を聞いて、私達は診察室を後にした。
病室に戻ると、レオくんのお母さんはまだ眠っていた。
ずっと、1人で、苦しんでいた……。
「母さん、俺の事、言ってなかったんだな」
「え?」
「先生が言ってただろ?息子がいるって知らなかったって」
「うん」
「消したい、記憶だったのかなって思ってさ」
哀しく眉間にしわを寄せるレオくん。
「俺の事言わなかったのはさ、なかった事にしたかったんじゃないかと思ってさ。実際、施設に預けられたわけだし。本当は、会いに来ないほうがよかったのかな……」
「………」
「ちょっと期待してたけど。心のどこかで、俺のこと待っててくれてるんじゃないかってさ。だけど、そうじゃなかった」
そうじゃなかった?
消したい記憶だった?
「違うと思う」
「え?」
「消したい記憶なんかじゃないよ。だって、さっきのお母さんの表情はそんなこと思ってる表情じゃなかった。ずっとレオくんを想って、待ってたって表情だった。あの目は、そういう目だった」
思わず大きな声になってしまったことに、言った後にハッとした。
「絶対に、お母さんはレオくんを待ってたんだよ」