しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
ため息交じりに、日和が言った。
困ったように笑う日和は、何だか子犬みたいだった。
「美羽は、そうやって笑ってなきゃ、美羽じゃないよ」
日和の言葉に、コウ先輩が頷く。
「確かに。ウザいくらいに笑ってないと、あんたじゃないな」
「な、何よ。 レオくんまで。しかも、ウザいくらいにって……」
口を尖らせて、ぶつぶつぼやく。
「ま、お腹から笑いたい時は、いつでも俺を呼びなよ。美羽ちゃんの為に駆けつけるからさ」
「……コウ先輩」
「それから」
両手を頭の後ろで組み、教室から出て行こうとしていたコウ先輩が、言葉を区切ると、クルリと私を振り返った。
「壮吾に言いたいことがあったら、いつでも俺を使えよ。壮吾に伝えてやるから」
それだけ言うと、『んじゃな』と、後ろ向きに手を振って教室から出て行った。