しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
どうしたの?急に。 と言葉を続けると、少しの間を開けて、
『あんたに、渡したいものがある』
と、とても真剣な声が返ってきた。
「渡したいもの? 何?」
『いいから、今すぐ家を出ろ』
「今すぐ、って。どこに行けばいいのよ」
『高校んとき、夜に花火しただろ。あの海。 いいか、今すぐにだぞ』
「っえ、ちょ、レオく――」
最後まで言い終わらないうちに、電話が切れた。
ツーツーと、機械音が耳に残る。
眉間にしわを寄せ、切れた電話をただ眺めた。
急にどうしたのよ。
私の返事も聞かずに電話を切るなんて。
「………」
しばらく首をひねっていたけど、とりあえず、行くしかない。
素早く着替え、鞄をつかんで家を出た。
今日から、5月。
走れば走るほど、額から汗が流れてきた。