しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~


どうしたの?急に。 と言葉を続けると、少しの間を開けて、


『あんたに、渡したいものがある』


と、とても真剣な声が返ってきた。


「渡したいもの? 何?」

『いいから、今すぐ家を出ろ』

「今すぐ、って。どこに行けばいいのよ」

『高校んとき、夜に花火しただろ。あの海。 いいか、今すぐにだぞ』

「っえ、ちょ、レオく――」


最後まで言い終わらないうちに、電話が切れた。


ツーツーと、機械音が耳に残る。


眉間にしわを寄せ、切れた電話をただ眺めた。


急にどうしたのよ。

私の返事も聞かずに電話を切るなんて。


「………」


しばらく首をひねっていたけど、とりあえず、行くしかない。


素早く着替え、鞄をつかんで家を出た。


今日から、5月。

走れば走るほど、額から汗が流れてきた。



< 392 / 400 >

この作品をシェア

pagetop