しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
「あ……」
放課後。
昇降口で靴をはきかえていると、玄関で友達数人と話している柊先輩を見つけた。
思わず、『あ……』と出してしまった声は、意外と大きかったみたいだ。
ちらっとこちらを見た先輩と目が合い、やっぱり私の心臓は高鳴った。
咄嗟に視線を泳がせる私。
足が地面に張り付いて、一歩が踏み出せない。
ドクン、ドクンと、心臓が痛い。
やっぱり、私は……。
「よお」
「ぎゃぁっ!!」
頭上からかかった声に飛び跳ねると、柊先輩は怪訝な顔で私を見下ろした。
「随分な反応だな」
こめかみがピクリと引きつっている。
ははっ……と、苦笑した私は、また俯く。
ああ……。
もう、無理だ。
先輩の顔、まともに見られない。