しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
「おまえ、ちょっと付き合え」
えっ? と顔を上げた時には、私は柊先輩に腕を引っ張られていた。
いきなりの事で足がもつれ、前のめりになる。
呆気にとられ、グングン進んでいく先輩の背中を見る事しかできなかった。
もちろん、周りの視線は私達に集まっている。
「せ、先輩!!みんな見てますよっ」
「だから何だよ」
「だ、だから。離して下さい」
「どうして」
「お願いしますっ!!」
私の必死の抵抗が伝わったのか。柊先輩は歩みをとめて、クルリと振り返った。
「ビビってんの?」
は……?
「おまえ、かわいいヤツだな」
……はっ?
「見んなって言ってやろうか?」
意味がわからず目を白黒させていると、先輩は大勢の生徒の方を振り向いた。
そして、スウーっと息を吸い込む。